●井原前市長が僅差で敗北
しかし結果は、私たちが当選を願った井原勝介前市長が、自民・公明両党の推す福田良彦前代議士に敗れました。福田候補47,081票に対して、井原候補は45,299票。1,782票差という接戦でした。期日前投票も前回より約2倍に増えるなど、激しい選挙戦の最終盤を現地に見ましたが、「誠実」を絵に描いたような井原さんよりも、“カネ”のために市民の良心を売り渡そうとする相手陣営の力が僅かに上回ったことは認めなければなりません。
なお、
中国新聞の記事によると、民主党から衆院補選に立候補予定の平岡秀夫(1999年市長選で井原候補に敗れる)陣営は、「福田票もほしい」と自主投票を決め込んだ…とのこと。組織をフル回転させ、デマで市民の不安をかき立てるような相手側の宣伝活動に対して、草の根の運動に徹した井原さんは、精一杯の選挙結果を残された…と見たいと思います。
●新庁舎建設補助金と空母艦載機の移転問題
選挙で争点となった、建設中の新庁舎(写真右)に関する補助金は、普天間基地からKC130空中給油機の移駐を岩国市が認めた見返りとして交付されてきたものです。それを、さらに厚木基地からの空母艦載機も押しつけようとして、岩国市が「これ以上は耐えられない」と拒んだため、建設途中で「残り35億円の補助金は出さない」と言い出し、不条理な圧力をかけています。井原前市長は、住民投票で89%を占めた住民大多数の意思に基づいて行動してきたのですが、今回の選挙では国の圧力が住民の意向に影響しました。しかし、住民の皆さんが「艦載機受け入れ」を認めたわけではありません。
●悩む…普通の市民
市長選の応援に行くに当たって、岩国市内に住む知人に電話してみたところ、「自分は基地近くで生まれ育ったから、そのすさまじい騒音や数々の弊害を体験している。ただ、市の財政が苦しくなっており、そのためにさらに大きな騒音を受忍すべきなのかと悩んでいる」と…話してくれました。そんな選択を迫るような日本の政治は間違っています。市長が替わったとしても、「受け入れ反対」の住民意思は変わっていないのです。