長谷川俊英14年の市会議員活動  (7ページ)
指摘されなければ動かない…困った行政体質にどんどん“メス”
●府立大学の新施設を「バイオ研」と知らなかった堺市
先の放射線研究所も現在は府立大学の施設となっているが、1992年にこの大学には「生物資源開発センター」が新設された。その内実が「バイオ研究施設」であるとの情報を得たので議会で確かめたら、堺市はその事実を知らなかった。
この種の研究施設は、未知の微生物漏出などで地域住民にバイオハザード(災害)をもたらせるおそれがあるから、他の自治体では設置機関との間で協定を結ぶなどの対策を講じている。
堺市の行政マンの能天気ぶりが腹立たしかったが、この議論を機に、市が大学施設に立ち入って調査し、実験内容の報告を求めるとともに、国の指針や学内規定の遵守状況を確認することになった。 (1992.6)
●市道“わがもの”50年。大手車輌会社の不法占拠を放置
この話の始まりも、1枚のハガキだった。「近くの道路が行き止まりになっていて便利が悪い。そのまま工場に入っていってしまう感じだけれど、なぜ?」。もちろん、すぐに現場を見に行った。市の道路地図と見比べたたら、某車輌会社の工場敷地に市道(幅3.6m、延長52.5m)が取り込まれ、片方に鉄扉、反対側に防音壁が設けてあった。
信じられないような不法占拠。会社に乗り込んで事情を聞くと、不法状況は50年以上前、この工場の前身の鉄工所が誘致されたころから始まっていた。
実は、堺市もこの事実に気づき、10年前から口頭で復元を求めていた。なんとものんびりした話である。もし仮に、この市民財産の合法的使用が認められていたら、規定に基づく土地使用料は莫大な額になる。その金額の試算を示した上で、損害賠償や行政代執行を行うことを求めたら、市もこれを認めざるを得なかった。 (1989.3)
●ため池での「釣り堀営業」…親子三代続く不法占拠
住宅開発が進むまではほとんどが農地だった堺市にはため池が多い。市街地のなかに残ったため池は駅からも近く、愛好家の間でも評判の釣り堀が営まれている。普段は特に気にとめることがなかったが、監査委員が議会に提出する「定例監査報告」を読んでいて、これが業者による不法占拠であることが分かった。
多くは旧村との合併時に引き継いだもので、その当時からの曖昧な「契約」を引きずっている。しかし、市有地に建物を建てるなどの不法状況が、親子三代にわたって続いているのは納得しがたい。解決の促進を求め、幾分かは前に進んだ。 (1992.6)
●次々に入ってきた「不法占拠」情報
長谷川が不法占拠を厳しく追及している…という話が広がって、市内各地での市有地や国有地を不法占拠の情報が入ってきた。砂利業者が砂置き場として、公園用地を3年以上、別に市道を7年以上も不法に使っていた。公園が、近くの住民に駐車場や資材置き場にされているケースもあった。これらの情報の中には、保守系の市議が「地元のことで言いにくいので…」と、密かに耳打ちしてくれたものもある。 (1985.11) (1985.12) (1986.12) (1989.9)
極めつけは、ある市議が自宅前の道路拡幅予定地でモータープール営業をしている疑い。これは、政治倫理条例に基づく資産公開の内容を調べていた市民の手で明るみに出た。
公共財産が公正で適切に管理がされなければ、まともに税金など払いたくなくなると議会での指摘したら、いずれも早々と改まった。
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