永藤市長が初当選以来、執念を燃やし続けている「おおさか堺バルーン」事業。百舌鳥古墳群を上空から見せるという目的はよいとしても、安全性は確保できるのでしょうか。
一昨年5月、大仙公園に設置した気球がガス漏れでぺしゃんこに。原因は分からずじまいです。イギリス製からフランス製に変え、「10月上旬の運行開始をめざす」との計画が5月1日に発表されました。ところが、堺市ホームページに掲載された気球事業者の連絡先は携帯電話でした。
ある市民が通話を試みたら、「使われていない」とのアナウンス。堺市に問い合わせたところ、一時的に使用不能なので担当者にかけてくれとの回答があり、「個人の電話なので取扱いに注意してほしい」と付言されました。ところがその1週間後、堺市のホームページには「取扱注意」のはずの電話番号が掲載されたのです。
一昨日の大綱質疑では、まず「運行事業者が企業体としての体をなしているのか」と質問。また、当該事業者がいかにも気球から「鍵穴古墳」が見えるようなPRをしているが、高さ100mからでは無理ではないかと指摘しました。
さらに質したのは、「こども気球体験事業」なども予定されており、安全運行の確保です。これまで熱気球しか手がけていない事業者による運行への不安はもとより、運行開始までにパイロットの養成や訓練、現地の気象状況を把握するための試飛行など、相当の準備期間を要するはずです。にもかかわらず、維新議員の大綱質疑では「ぜひ、万博期間中に(運行を)間に合わせてほしい」との発言がありました。「安全確保が確実になってから運行すべきだ」という私の主張に対して、文化観光局長は「万博期間中の運行ありきではない。何よりも安全な運行を最優先にする」と答えました。当たり前のことです。