健康福祉委員会で議論したTさんの国保料について堺市は、国民健康保険法が「保険料納期の2年経過後は賦課決定できない」と規定しているから、Tさんの納付額を減額更正できない。「だから返せない」というのです。国保制度では「2年時効」となっている特殊な事情が背景にあります。
そこで、思い出したのは17年前にあった固定資産税事件です。堺市が課税ミスをしながら、「税法の時効5年以前の過大徴収分は返さない」という対応を「まるで悪代官だ」と批判。他市で「返還要綱」を制定している事例を調べて追及しました。何度もの議論を経て市税当局が態度を変え、多くの納税被害者の方々が「取られ損」から救われたのです。
国保料をめぐっても同様の事例はないか。ネット検索してみると、やっぱりいくつもの自治体が「国民健康保険料過誤納金」を補填する要綱を定めていることが分かりました。そのうち、鳥取市と玉野市の担当課に電話で調査したところ、両市とも固定資産税の返還要綱と併せて検討した模様です。
健康福祉委員会では、まず、Tさんの過納分が市の国保会計に入っているのに、「法」を盾に返さないのは不条理ではないかと指摘。担当課長も「心情としては不条理だと考える」と答えました。
議論の最後に、市当局が把握していなかった鳥取市や玉野市の返還要綱を提示。再検討を求めたところ、担当部長が「お示しの他市の状況を調べ、背景等も含めて研究したい」と答弁。固定資産税事件と同様に、議論は次期定例会に及びます。
なお、昨日の議論の際、堺市職員が採用時に提出する宣誓書に「地方自治の本旨を体する」や「誠実かつ公正に職務を執行する」と記されていることを確認。「地方自治体が自ら判断と責任で地域行政を行う」という「地方自治本旨」を踏まえ、市民に対して誠実で公正な姿勢で業務に当たるべきではないかと、担当職員の対応を促しました。