大綱質疑の3つ目のテーマは、「学校でのマスク着用をめぐる市民要望への市教委の対応」です。3年前に市民が要望に訪れた際、市教委の担当者が「議員が来た方が動く」と発言したそうです。もしかしたら「本音」を漏らしたのかもしれませんが、これはいただけません。市民の要望にきちんと耳を傾け、それに応えた行政運営が行われるべきです。
●市民が中止させたインフルエンザワクチン集団接種
一例として紹介したのは、30数年前、学校で行われていたインフルエンザワクチンの集団接種をめぐる新聞記事。私は、当時の環境保健委員会などで、副反応への杜撰な対応や集団接種の問題点を厳しく追及しました。
他方、「インフルエンザ予防接種を考える会」に参加した市民の皆さんが、校門前で接種日を控えた児童たちにパンフを配布。保護者に正確な情報を伝えました。その結果、各校の接種率がみるみる低下し、集団接種を中止させることに成功したのです。
今回の大綱質疑では「住民自治」の原点を探る議論を試みました。折しも、兵庫県議会で維新県議による地方自治の根幹を揺るがすような事件が発覚。自治における市民の役割を確認すべしと述べ、質疑を締めくくりました。
●保健医療担当局長の最後の答弁
なお、議論の最後に、「副反応疑い報告書をめぐる市当局に対応について反省すべきことはないか」と質したところ、保健医療担当局長が次のように答えました。(抜粋・要約)
「コロナワクチンの接種後の遷延する症状によって、今もつらい思いをされている方々やご家族に対し、今回の調査を経験し、救済制度の案内が行き届いていなかったこと、国への進達に時間を要した方について手続きの迅速化が図れたのではないか、反省すべきと認識している」
「Sさんからのご指摘や情報提供、議会での指摘・議論が調査のきっかけとなっただけでなく、ワクチンの安全性の関する周知についても、市ホームページ等の情報の充実につながった」
「もし、またパンデミックが発生した際には、もっと市民の命と健康を守るための取り組みができるよう、しっかり振り返り、反省、教訓とする。きっかけを作って下さったSさんに感謝する」