大綱質疑で議論した堺市が当事者の調査をすることになった「副反応疑い報告書」は、市民Sさんの情報開示請求によって明らかになりました。しかし、当初に開示されたものは大部分が黒塗りだったため、Sさんが情報公開審査会に審査請求。「特定個人が識別される可能性がある記載を除き公開すべきである」との審査会答申が出て、「症状の概要」や「報告者意見」など副反応の実態を知ることができました。
●文書コピー料の二重徴収は妥当ではない
なお、市当局がSさんに開示した最初の文書では不十分だと審査会に指摘され、黒塗りを減らした文書をSさんに渡す際にもコピー代が徴収されていました。この措置は「妥当か」と健康福祉委員会で指摘したところ、再徴収分のコピー代はSさんに返還され、運用上の過ちをなくすべく「事務取扱要領」が改正されました。
●堺市の行政運営を正したSさんの開示請求
副反応疑い報告の当事者を対象に健康調査を行ったのはおそらく堺市が初めてでしょう。その結果、ためらっていた当事者に健康被害救済制度の申請を促しました。また、調査によって救済制度があることを知った例が9件もあったという事態は深刻です。何もしなければ、ワクチンの副反応に苦しんでいる方々に支援も手を差し伸べることができませんでした。
Sさんの開示請求と開示された資料に基づく指摘が市当局に調査を促すことになり、ワクチン被害者の実態の把握にもつながりました。
●「市民の知る権利」…情報公開制度の真髄では
それは、堺市情報公開条例の第1条に定められた「市民の知る権利」や「民主的な市政の発展に寄与」との文言に合致します。これこそ「情報公開制度の真髄ではないか」と主張し、情報公開を所管する市長公室長にも見解を求めました。