午前中、歯科の定期検診。1年余り前から「院長が高齢となり、診療方針を予防歯科中心にする」と表明されていたのですが、「3月末に閉院」と決められ、今日が最後の検診となりました。以前に診ていただいていたM先生と共にK先生が堺市内で診療を始められたのは18年前。M先生が亡くなられた後はご自身で開業され、ずっとお世話になってきました。私よりもお若いと思っていたので、先日電話で知らされたときはいささか衝撃を受けました。
今日は治療を受けることはなかったのですが、歯科衛生士さんによる検診・清掃が終わってからK先生とお話しする機会がありました。最近のワクチン行政に大きな危機感を覚えておられ、そのことが「閉院」を決意される大きな要因になった模様です。鋭敏で患者本位の医療感覚に基づく診療方針に共鳴して頼ってきただけに、これからのことが不安です。
●2月定例会(予算議会)の議案説明
午後、登庁して、16日から始まる2月定例会に提案予定の議案説明を受けました。来年度予算案の概要とともに条例改正についての説明があったのですが、「自由都市・堺・平和貢献賞」の選考委員会を廃止するとの方針に疑念を感じて質問しました。
この制度は、2007年に制定した「堺市平和と人権を尊重するまちづくり条例」の理念に基づいて創設され、2008年以来2年ごとに授賞式を行ってきたものです。これまでの主な受賞者(団体)は、平和活動家のジハン・ぺレラさん、民主化運動指導者のアウンサンスーチーさん、沖縄の佐喜眞美術館などで、2020年は「NGOベトナムの子どもたちを支援する会」と「特定非営利活動法人『飛んでけ!車いす』の会」が受賞しました。
●国際的・全国規模で表彰された団体を堺市が精査する選考委員会を廃止
今回提案される議案は、受賞者(団体)を選考する委員会を廃止するもので、今後は「堺市にゆかりのある受賞者を選ぶ」のだそうです。さて、その判断は正しいでしょうか。
2018年にこの賞を受賞した佐喜眞美術館は沖縄県宜野湾市にあります。丸木位里・丸木俊が描いた「沖縄戦の図」を常設展示していて、沖縄を修学旅行で訪れる生徒たちの見学コースになっています。2019年7月に同館を訪問し、佐喜眞道夫館長にお目にかかった折、平和貢献賞の受賞を大変喜ばれ、このような制度のある堺市の平和行政を高く評価されていました。今日私が疑問を呈したのは、「自由都市・堺・平和貢献賞」の存在は日本はもとより国際社会における堺市のイメージを高めるものではないのかということです。
●制度見直しを迫った大阪維新の会議員たち
市当局がこの制度を見直すことになった経緯は、大阪維新の会議員などによる重ねての批判によるものです。▼池田克史議員(当時)=(アウンサンスーチーさんの受賞に関して)「受賞理由に政治的要素が含まれる。事業の廃止を含めた抜本的な見直しが必要だ」(2018.12市民人権委員会)。▼黒田征樹議員=「堺市と縁もゆかりもない団体に市民の税金を支出するのは納得感を得られない」(2020.9決算委員会)。▼藤井載子議員=「形骸化した事業にしか感じられない。廃止を含めて検討することを要望する」(2022.9決算委員会)。
平和や人権という人類共通の理念、あるいは文化・芸術に対する、この党の人たちの意識や感覚が如実に表われた発言だと、私には思えます。