昨日の大綱質疑では、市当局から提供された堺市のハラスメント事案の件数が厚労省委託調査や自治労の調査と比べて、職員からの相談率や「ハラスメン」トと認定する率が低すぎることをまず指摘。そして、職員の率直な思いが綴られたメールを披露しました。
▼一般的に、受ける側がハラスメントと感じればハラスメントになると言われている中、ここまで認定件数が少ないのは、本当に深刻な人は相談に行けていないのではないかと思います。とりわけ、管理職世代は相談窓口に駆け込むということをためらいがちではないかと思うのです。管理職なのに責められるのは、自分の非力と思い込む人が多いのではないでしょうか。
▼近年、ある課長職の職員(Xさん)が3月末で定年を待たず58歳で退職しました。当時の上司のパワハラが原因だと部下の方から聞きました。その上司はパワハラ張本人として有名で、過去に何人もが人事課のパワハラ窓口に駆け込んだといわれています。けれど窓口に相談できる人ばかりとは限りません。どのようなパワハラが行われていたか詳しくは知りませんが、Xさんは執務室内で2度、過呼吸で倒れたそうです。最後には以降年休で休み、3月末で退職することを詫びながら「心が折れました」と部下に伝えて辞めていったそうです。Xさんは高校を出てから堺市役所に勤めて40年になります。仕事は丁寧できっちりとこなしていく人でした。まさかこんな形で公務員人生を終えるとは思ってもいなかったでしょう。さぞ無念だったと思います。
職員のメールには、市長が今年の新年挨拶で「ハラスメントを許さない」と述べたことに期待したが、「その言葉を真摯に受け止める職員がいないのが残念」とも記されていました。そこで、各種調査とかけ離れる堺市の現況を併せて市長に見解を求めると、次の答弁がありました。
■堺市役所は多くの職員が働く職場で、人によって成り立っている。それぞれの職員がやりがいをもって働きやすい環境であることが欠かせない。職員の声や人事評価の際のコメントすべてに目を通している。気になるケースがあれば、各担当にその内容の確認をしている。今年の年頭挨拶で「パワハラを許さない、パワハラをはじめとしたハラスメントを許さない」と発言したのは、私の強い思いだ。
■昨年3月には、堺市もワークライフバランス計画を定め、その中にもハラスメント対応の強化をあげている。(長谷川)議員がおっしゃった「声が挙げられない」(については)、まずは相談をしてもらうということが必要だ。深刻な方が相談できないのか、それくらいは我慢するしかないと思って相談できないことがあるかと思うが、その両面からも適切に内部から声が上がってくるように、きちんと当事者が発言できるよう、周りの人が「これはひどいんじゃないか」というこいとについても、内部通報が機能する役所であるように努めて行きたいと思う。
続いて、この市長答弁を受けてどのように今後対応するか、ハラスメントへの対処を総括する立場の総務局長と議論を展開したのですが、続きはまた明日の日記でご報告します。