11月29日に逝去された元佐賀市議・岩尾幸代さんお別れの会が明日の午前中に催されるので、佐賀に向かいました。25年前、佐賀市議会の議長選挙をめぐる贈収賄事件が発生。2月に政治倫理条例の制定を進める会の集会、10月にリコール運動の市民集会の講師として招いていただいたのが縁で岩尾さんと知り合いました。そして、その後の市議選への出馬を促す役割も担いました。選挙運動や当選後の岩尾さんと活動を共にした方々が佐賀駅に出迎えて下さって、市内本庄にある岩尾邸を訪問。居間に飾られた祭壇にお参りさせていただきました。
ご夫君の岩尾雄四郎さんは、佐賀大学名誉教授で地質学の研究者です。私が代表を務める都市政治研究所が産廃不法投棄で汚染されていた香川県豊島の現地で自治体議員勉強会を開いた際には講師を務めていただくなど、折に触れてお世話になってきました。しかし、今日は、今年4月ごろからの岩尾さんの闘病生活について話を伺うことになり、きっと深い悲しみをこらえながら伝えて下さったのだろうと思います。
「岩尾幸代さんお別れの会」は、佐賀の古い町並みが残る地域に建つ旧古賀銀行の建物を生かしたイベントスペース「浪漫座」(佐賀市歴史民俗館)で、午前10時から開催されました。関係者のお話によると、岩尾さんはこの建物の保存運動にも尽力したのだそうです。
25年前の佐賀市民によるリコール運動は、6万数千人の有効署名を集め、住民投票の開催が決定されそうになって4人の汚職議員が辞職。大成功を収めました。リコール運動が始まる前に辞めていた2人と欠員1を合わせ、7議席の市議補選が行われることになり、リコール運動の仲間から誰かを立てようとの話し合いが続いていました。告示日まであと12日という切羽詰まった会合の席にたまたま私が居合わせたのです。この日のことを岩尾さんは、「『その笑顔がよい!』という言葉で、私を追い詰めたのが長谷川さんでした」と後の文章(都市政治研究所ニュース・レター)に記しています。その記事などを紹介しながら、お別れの言葉を贈りました。
お別れの会には岩尾さんとの関係が深い約170人の方々が参加して、会場は超満員。タイからの留学生や、メキシコから嫁いできた女性が岩尾さんとの温もりのある関係を語るなど、岩尾さんの大きな人柄と、とても幅広い活動ぶりが偲ばれる集いでした。