2月24日(日)一時は晴れ間も見えましたが、時折雪も舞う寒い一日でした。
《2008.2.24》
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※2月23日以前の日記は、前ページに掲載
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上の写真は、築港八幡町(新日鐵が海面を埋め立てた土地)で進む、シャープ新工場の建設風景です。たまたま見付けた「鶴の資料館」というサイトに掲載されている昨年12月11日の記事から転載させてもらいました。このサイトを読むと、全国各地のクレーン業者が現場に入っていることが窺え、工場建設を「一刻も早く」…と急ぐ様子を推し量ることもできます。
●12月議会に提案された「随意契約」…「指名停止」の事実を隠した市当局
だから…だったのでしょう。隣接地での「中小企業クラスター造成工事」を、シャープ工場建設を請け負っている清水建設鰍ノ随意契約で発注するという議案が、昨年12月の議会に提出されました。「約8億6千万円もの工事をなぜ随意契約にできるのか?」と、その異常性の背景を探っていたら、清水建設が談合事件などで指名停止中であることが判明。市当局のそれまでの説明では、その事実が一切隠されていました。
●「シャープが通れば、道理がへこむ」は慎むべし!
議案採決の前に、私は、「3重にも指名停止を受けている企業への発注は指名停止の実効性を損なう。慎むべきだ」と反対意見を述べました。また、「シャープが通れば、道理がへこむような行政をしてはいけない」と、市長をたしなめました。しかし、いわゆる“与党”議員たちからは何の発言もなく、議会の承認を得て、その日に本契約が締結されました。
●水道管布設工事と合わせて10億円の随意契約
またその後、議会に諮る義務がない上下水道事業の水道管布設工事(約1億2千万円)が清水建設に発注されたため、合わせて「10億円の随意契約」として新聞各紙で大きく報道されました。各紙にコメントを寄せた学者らは、「急ぐ工事でも入札すべきだ」(法政大・五十嵐敬喜教授)などと、堺市の措置を批判しています。         
朝日新聞(2008.1.30)
●本会議を傍聴していた市民らの驚き
12月議会の最終本会議では、議員海外視察の中止を求める請願の採決も行われたため、傍聴席には大勢の市民の皆さんが詰めかけていました。「指名停止中ということが明らかになったのだから、当然、採決は見送られる…」と思った方が多かったそうです。市民として当たり前の感覚で議場の成り行きを見守っていたのに、「賛成」の意見表明がまったくないまま可決されたことに驚いた…との感想を、閉会後に伺いました。
●女性市民たちが監査請求と住民訴訟へ
「指名停止中でも、どうして10億円もの公共工事ができるのですか?」。傍聴者の女性の中に素朴な疑問をふくらませた人がいました。私にも相談があり、また弁護士さんとも相談の結果、「やっぱりこのまま見過ごせない」と決意されたそうです。この際、同じ思いに立つことができる女性だけで行動しようと呼びかけ、9人の方々が動き始めました。
●問われる市長や企業のコンプライアンス(法令遵守)
明日(25日)午前中に住民監査請求を行い、直ちに大阪地裁にも提訴して、工事進行や代金支払いの禁止を求めるとのこと。防衛施設庁と名古屋市地下鉄工事での談合事件、横浜港の水質汚濁など、違法行為を繰り返している清水建設。それに、そんな企業犯罪で指名停止中の業者に発注した堺市長。それぞれのコンプライアンス(法令遵守)精神が、女性市民たちによって問われることになりました。