《2006.11.9》
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11月9日(木)イチョウ並木が美しい韓国・全州市を11時に発ち、夜、帰国しました。
5日にあわただしく出発した韓国訪問の旅が、きょうで終わりました。予定の日程は昨日までに完了。帰路便の予約が夕方だったので、午前中は全州市内を歩きました。途中で立ち寄った街角の郵便局では、1人しかいない若い女性局員が言葉の通じない外国人にも親切だったので大助かり。
ちなみに、全州市から仁川国際空港までは、高速バスで3時間50分。運賃は25000ウォン(約3000円)でした。
●清州市と全州市
この旅行で訪ねた2つの市のうち、清州市は忠清北道の道庁所在地で、面積153km2、人口約63万人。また、全州市は全羅北道の道庁所在地で、面積206km2、人口約62万人。都市の規模はよく似ていますが、どちらも、堺市よりもにぎわっている様子が感じられます。
●全州市の議員報酬
ちなみに全州市議会の議員報酬は、年俸3200万ウォン(約380万円)。議長なども同額で、人口規模がやや小さいとは言え、堺市議の年俸(報酬+期末手当)に比べて3分の1を下回る額です。物価や賃金水準が異なるので単純な比較はできませんが、はたして私たちは全州市議の3倍の仕事をしているでしょうか…。もっとも、議長には2400万ウォン(約290万円)、常任委員長には1100万ウォン(約130万円)の業務推進費の予算が付くそうです。しかし、その支出について「当然、使途を明確しなければいけないし、報告義務もある」と鄭先生が教えてくれました。堺市議には、議員1人あたり年額360万円の政務調査費が交付されているのに、その具体的な支出項目はもちろん、領収証の公開も義務づけられていません。
●議会運営と改革
鄭教授の話によると、韓国の地方議会は年間100日以上の会議を開くことや議長任期を2年とすることが法律で決められているとか。全州市議会の定例会は7月(決算)と11月(予算)の2回ですが、臨時会が頻繁に開会されるようです。常任委員会は5つ。昨日の日記に書いた議会改革は「議員の交代によって進んでいる」と、朴さんが説明してくれました。韓国では、今年5月31日に地方議会の一斉選挙があったのですが、全州市の場合、34人中の16人が新人議員となったそうです。「議会事務局の職員としてうれしいことですね」と朴さんにたずね、「言いにくいでしょうが…」と付け加えると、苦笑いしながらうなずかれました。
●議員の内訳
全州市議会の議員定数34人のうち、30人は13の選挙区(各区定数2または3)から、4人は比例代表選挙で選ばれます。現在の色分けはウリ党19人、民主党12人、民主労働党3人。鄭議長はウリ党で、副議長は民主党。女性の議員は5人(ウリ党3人、民主党1人、民主労働党1人)いて、うち3人は比例代表で選ばれています。地域意識の強い韓国では、国会最大野党のハンナラ党も西南部地域には存在しないに等しいようです。
●「Cheongju」と「Jeonju」
まったくの余談ですが、清州(Cheongju:チョンジュ)と全州(Jeonju:チョンジュ)の発音の違いを何度聞いても聞き分けることができませんでした。空港でバスの切符を購入する際、清州に行きたいのに全州行きの切符を渡され、しかも実際に行ってしまった日本人がいたという話も聞きました。私たちは、念のためにハングルで書いてもらったメモを見せて切符を求め、切符の文字とバスの行き先表示を確かめて乗車しました。