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《2003.10.28〜29》
10月28日(火)覚悟していた寒さの割には、暖かい日となりました。
コペンハーゲンでの自由視察日。「ひたすら歩こう」と心に決め、地図を片手にホテルを出発。最初に通過したヘスタポート駅付近では保育士さんに率いられた保育園児たちや広場のモニュメントで遊ぶ小学生たちと出会い、次のノアポート駅付近では通勤や通学の人たちが多くなりました。
この駅の前には観光者用の赤い自転車がたくさん置かれていて、20クローネのコインを入れて開錠すれば誰でも利用できるようです。市内各所にある置き場に戻して施錠したらコインも戻るという仕組みになっているとか。試しに乗ってみようと思ったのですが、サドルが高い上、ハンドブレーキのない旧式自転車ばかりだったのであきらめました。
ともあれ、このまちの主要交通手段は自転車で、歩道脇には専用道が設けられています。すごいスピードで走ってくる自転車に注意しながら、人魚姫の像までおよそ4キロを歩きました。出会った通行者に何度も道をたずね、開場前のローゼンボー宮殿や国鉄本社の敷地内に入れてもらうなど、なるべく多くの人々と接することも試みました。アマリエンボー宮殿前での衛兵交代の見物や買い物などで休み休みでしたが、約6時間を歩き通してホテルに帰還。夕刻のスカンジナビア航空機で、最後の訪問国オランダに向かいました。
駅前に並ぶデポジット式の貸し自転車
自転車道を走る出勤の人たち
10月29日(水)オランダの寒さもデンマークに負けませんが、陽がさすと暖かく…。
午前中、貸切バスにてアムステルダム市内を視察。トラムの体験乗車も実施し、昼食後、午後1時からの「ソーラタウン」視察のため、アメルスフォールト市に向かいました。
このニュータウンの入口で、オランダでの日程をアレンジして下さったリヒテルズ直子さんに初めて会うことになっていました。少し早めに到着し、比較的暖かくなったのでバスを降りて待っていると、黒いコートの日本人が遠くから歩いて来て手を挙げて合図。こちらからも近づいて挨拶したのですが、ひんぱんなメールのやりとりや電話でも話していたせいか、初対面の緊張感はまったくなし。もっとも、それはリヒテルズさんのゆったりとした人柄のせいだったかもしれません。
やがて、このまちのガイドを依頼してもらっていたビタ・スケファーさんが少し遅れて到着。町並み模型を前に、各街区ごとにいくつかの特徴を持つニュータウンの概況を聴いた後、中心部から歩いて視察しました。一般に「ソーラタウン」として知られているこのまちですが、全戸にパネルを備えているわけではなく、全体としては省エネ、環境保全型の住宅建設を試み、実践してきた様子と実状が理解できました。
アムステルダムに帰るバスの車中、リヒテルズさんからオランダの政治や社会についてのレクチャー。さらに、参加メンバー全員がホテルで夕食を囲んで懇談しました。
この写真はデンマークの風力発電
アメルスフォールトのソーラ住宅