一昨日の健康福祉委員会で議論した2つ目のテーマは、現在開会中の国会で既に成立した民法改正により、2026年から施行される離婚後の「共同親権」についてです。
●自民党・野田聖子議員が民法改正法案に反対
国会では、自民党の野田聖子議員が「法律を作る側として調理されていないものをお出しするような感じだ」と反対。「子の権利利益を保護」とうたって改正法案が提出されたことに対して、「子をどう守るかの視点が不足。法案を通すと、子の人格を破壊しかねない」と批判しています。また、「選択制夫婦別姓導入を30年放置しながら、にわかに共同親権の議論が進むのも違和感を覚える」とも発言。
●共同親権になっらたハッピーか?(億智栄弁護士)
4月に高槻市で開催された近畿市民派議員交流学習会では、弁護士の億智栄さんが共同親権成立後に予想される課題を指摘されました。そもそも離婚に至った夫と妻の関係は極度に悪化しており、子の養育のために話し合うことなど困難だ。その対立のはざまで、「子どもが傷つき続けることだけ避けなければならない」と強調。修学旅行や受験校の選択、医療行為、療育などを巡って、別れた親の意見が異なった場合の対応など、想定できる具体事例も挙げて問題提起されました。
●子ども青少年局・市教委に対応を求める
そのような事情を踏まえ、健康福祉委員会には市教委の出席も要請。子ども青少年局とともに、課題認識や対応方針を確認しました。国会の議論でも様々な課題が明らかにされ、付帯決議が行われています。例えば家庭裁判所の体制整備など、運用上の取り組みも必要なようです。
いずれにせよ、子どもの利益を守る最前線に立つ地方自治体して、運用開始までに万全の準備が必要です。他部局にも及ぶ案件ですから、全庁的な課題認識と対応を図ることを、午後の市長への質問で求めました。