大綱質疑二つ目のテーマは、国会で審議中の地方自治法改正についてです。まず、東京新聞に掲載された「改正案に関する主な論点」を議場スクリーンに映写。自治体に対する国の指示権が論点の第一であることを示しました。
●国と自治体の関係の歴史=永藤市長らは認識せず
そして、1947年の地方自治法制定以来、対等であるべき国と自治体の関係が変遷している歴史的事実に関して、市長はどのように認識しているかを問いました。永藤市長は「地方公共団体は住民に身近な行政を行うことを委ねられている」と答弁。まったく的外れなので、「副市長はどうか」と再質問しました。しかし、3人の副市長は押し黙ったままです。
数分経過して議長が答弁を促すと、市長公室長が挙手し、「平成5年から地方分権改革の議論を重ね、当初は上下・主従であった関係が対等・協力に変わった」と答弁。ほぼ正解ですが、自治体のリーダーたる市長や副市長にその認識がないのは嘆かわしい限りです。
●世田谷区長=「指示待ちでは命救えない」と
昨夏、東京で開催された全国政策研究集会シンポジウムで学んだ、世田谷区のコロナ対策が手をこまねいている国に先だって実施された事例などを紹介。報告した保坂展人区長が「国の指示待ちでは(住民の命を)救えない」と主張している朝日新聞の記事も示しました。併せて、そのシンポジウムで保坂さんの隣に座っていた杉並区長の岸本聡子さんが「今こそ、自治体の主体性が問われる」と語っている東京新聞の記事もスクリーンに提示。
永藤市長に対して、「維新が国会で賛成した地方自治法改正に反対してくれと言わない。だが、自治体と国との関係の歴史的経過をぜひとも認識した上で、法改正の問題に対処してほしい」と注文をつけました。