11月定例会の最終本会議。市長から提出された議案はすべて全会一致で可決しました。各会派から提案された意見書8本のうち3本は全会一致で可決。加齢難聴者の補聴器購入支援制度の創設を求める意見書には大阪維新の会のみが反対して可決。残りの4本は否決となりました。その一つが、一昨日の議運で「何とか全会一致にできないか」と私が提起したパレスチナ・ガザ地区の即時停戦、人道支援などを求める意見書で、以下はその全文です。
●パレスチナ・ガザ地区の即時停戦及び更なる医療・人道支援等を求める意見書(共産党市議団&長谷川俊英提案)
イスラエルの大規模攻撃により、パレスチナ・ガザ地区の人道状況は、「子どもたちの墓場と化し、人々の生き地獄となっている」(ユニセフ)とも言われる深刻な危機に直面している。
この間、イスラエル軍は、難民キャンプへの連続的な空爆など、大規模攻撃を行い、多数の民間人が犠牲となっている。ガザを封鎖し、電気、水、食料、医薬品の供給を妨げ、住民を命の危険にさらしている。ガザ北部の住民に南部への移動を命じていることも、深刻な人道的災厄を招いている。10月7日以降の2カ月間で、1万7千人以上が犠牲となった。子どもと女性の犠牲者が7割を超えるとの報道もある。
国連の人権専門家7人は連名で、ガザの事態について国際法違反である「ジェノサイド(集団殺害)の重大な危険」と厳しく警告している。
今回のガザ危機の直接の契機は、10月7日のハマスによる国際法違反である無差別攻撃だが、イスラエルがハマスの攻撃に対する「自衛権」をたてに圧倒的な軍事力を行使した報復を行い、ガザでのジェノサイドを行うことは、決して許されるものではない。
ガザの深刻な人道的危機を打開するためには、イスラエルがガザ攻撃を即時中止し、双方が、即時停戦のための交渉のテーブルにつくことが急務である。
12月12日国連総会において「人道的停戦」を求める決議が、日本を含む153か国の賛成で採択された。
本市議会は、この決議を心より歓迎し、日本政府に対し、国際社会と連携し、ガザ地区の即時停戦、人質の全員の解放への働きかけをより強固なものにするとともに更なる医療・人道支援等を早急に実施することを求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
大阪維新の会、公明党、自民党の議員が何故この意見書に反対なのか、公式の意見表明はありませんでした。ただ、この意見書の否決は、堺市議会がガザ地区での即時停戦や人道支援を求める立場にないことを明らかすることになります。議運での私の提案が実らなかったは、「最終本会議までに全会一致の決議案をまとめるのは困難」との理由でした。
しかし、昨年の2月定例会では、「ロシアによるウクライナへの侵攻に強く抗議する決議」が議長から提案され、予算委員会分科会の開会日に当初日程になかった臨時本会議を開いて緊急可決(全会一致)しています。ウクライナ問題ではそれほど機敏な対応ができたのにパレスチナ問題には腰が重いという堺市議会の現実は、ガザ地区の人々のあれほどの惨状が報じられながらイスラエルの蛮行を止められないという国際情勢ともつながるものかもしれません。「非核平和都市宣言」「人権擁護都市宣言」を決議したのは、国内向けだけではないと思うのですが。