大綱質疑3日目の本会議。登庁するとすぐ、市有地管理の担当職員がやってきて報告を受けました。昨日の議論を終え、財政局長から「直ちに、墓地管理委員会との折衝を始めるように」との指示があったそうです。
●阿坂墓地の管理委員会
阿坂墓地を管理する墓地管理委員会は、各地域から選出され役員で構成されています。また、同墓地では「管理費」を徴収していないため、管理経費の捻出に苦労されているとも聞いています。このため、墓地区域に接する空き地に新たな区画を造成し、経費に充ててこられたのかもしれません。
また、78区画が造られた市有地は、どうやら旧五箇荘村時代には火葬場であったようで、合併で堺市が引き継いだものです。ところが、堺市が長年管理を怠り、10年前に私が指摘するまで、「公有財産台帳」にも記載されていませんでした。また、国から堺市に移管された「里道」も北側が行き止まり状態で、実際には墓地内通路としての役割しか果たしていないようです。
●堺市も「貸借」「譲渡」の意向
昨日の大綱質疑で市当局は、「過去からの経緯や現に市民が利用している状況を勘案すると、強制的に撤去を求めることは困難」とし、「墓地管理委員会に対しての譲渡または貸し付けが必要」との見解を示しました。
言うまでもありませんが、それぞれの区画の使用権を購入し、墓石を建ててお参りされている人たちは、きっとその土地が市有地や里道であることなど知るよしもなかったものと思われます。また、当該の土地を墓地以外の用途に使うことも、周辺環境からみて合理的ではありません。従って、市当局の見解は妥当だと、私も思っています。
●この10年何をしていたのか
10年前の議論の後、里道を管理する建設局の法定外公共物課長が境界明示のために、相続関係で膨らんだ多数の地権者との折衝に汗をかいていました。一部地権者の合意が得られずに作業は中断したようですが、29区画がある部分は確定していますから、その部分だけでの処理も可能だったはずです。とは言え、墓地管理委員会へ働きかけるには、全課題の解決方向を示して行わなければ、納得が得られなかったとも考えられます。
ところが、機構改革で「理財局」が廃止され、引き継いだはずの財政局には当事者意識が欠けていたのかもしれません。許可権限をもつ健康福祉局の環境衛生課(現環境薬務課)も、現状以上の拡張を監視するだけで、違法状態の解消には積極的ではありませんでした。
●関係3局の連携と副市長の指揮が必要
今後、財政局、建設局、健康福祉局にまたがる事務を進めるためには合同の対策チームを作り、少なくとも副市長が陣頭指揮をとるべきです。
見解を求めたところ、中條副市長が立って、「当該墓地の無許可、違法な状態は早急に解消すべきだ。そのためまず、市の土地の取扱い、今後の方向性を早急に決める必要がある。自分が中心になり、狭間副市長(健康福祉局担任)、佐藤副市長(建設局担任)とも相談して、関係する3局を取りまとめて解決を図ってまいりたい」と答えました。