●「琉球新報」の社説/木村草太さんのツイッター
判決についての地元紙「琉球新報」の社説は、次のような冒頭の記述から始まります。
▼前知事の名護市辺野古海域の埋め立て承認を取り消した翁長雄志知事の処分を違法とする判決が、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)で下された。辺野古新基地に反対する県民世論を踏みにじり、新基地建設で損なわれる県益を守る地方自治の知事権限を否定する判決であり、承服できない。
▼米軍普天間飛行場の辺野古移設を巡る初の司法判断である。しかし国の主張をそのままなぞったような内容で、三権分立の原則を逸脱した判決と言わざるを得ない。翁長知事は上告審での反論とともに、知事権限を駆使して新基地建設への反対を貫いてもらいたい。
また、憲法学者の木村草太さん(首都大学・東京教授)は、ツイッターで発信しています。
▼判決を読んで、辺野古問題の解決には、国民が関心を持ち、政治を動かしていくしかないのだ、と改めて感じました。こういう出来事をきっかけに自著を宣伝するのは好きではありませんが、今度ばかりはお願いします。『憲法という希望』、ぜひ読んでください。
●地方自治の一端を担う者として“判決に抗議”
8月の自治体議員政策情報センター研究集会の講演で、木村さんは「閣議決定によって基地建設が進んでいることは憲法上で疑問がある。少なくとも国会での特別法制定が必要であり、それに伴う地方公共団体の住民投票で過半数の同意が求められる事案だ」と指摘。立憲主義を揺るがす事態が沖縄で起こり、裁判所が追認した惨状を見据えなければなりません。
昨日の高裁判決は、まるで「国防は国が行うことであって地方自治体はこれに従うだけだ」と言っているようです。もしも、ある日突然、例えば堺市臨海部に米軍基地をつくるという閣議決定が行われたら、堺市民は何も言わずに受け入れることができるでしょうか。
全国在日米軍施設の約74%が、すでに沖縄に集中しています。県民の多数が「NO!」と叫び、各種選挙でその民意を示しているのに、国は新基地建設を強行。辺野古だけでなく、国頭郡東村の江ではヘリパッド(ヘリコプター着陸帯)建設が強引に進められ、県民は必死の抵抗をしています。私自身、地方自治の一端を担う堺市議として、今回の判決に対して強く抗議の声を上げたいと思います。
■今日は、一息 北部地域整備事務所工事でのアスベスト飛散、並松公園の土壌汚染。健康危機管理が問われるシリアスな議論が続いており、今日は一息入れさせてもらいました。午前中、大阪市内で家族と買い物。午後は、中百舌鳥駅近くの教会で開催された広野和子さんのピアノリサイタルへ。
昨日午後、福岡高裁沖縄支部が下した判決には驚きました。まるで安倍政権の代弁者のような判決内容に加え、裁判長が法廷で何度も、翁長知事に対し、「判決に従いますね」と確認を求めたそうです。
また昨日午前、鶴保沖縄・北方相は、記者会見で訴訟について聞かれた際、鼻先で笑った上、「注文はたったひとつ、早く片付けてほしいということに尽きる」と語りました。
これらの光景を見て、沖縄の人々は「また侮蔑された」と感じたのではないでしょうか。