《2014.5.10》
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※5月9日以前の日記は、前ページに掲載

●心温まる「民宿岡田」
明日の雲辺寺は徳島県三好市池田町にあって、登り口に一番近い宿は、池田町佐野の「民宿岡田」です。「境目トンネル」内の県境を越えて宿に着くと、にこやかに迎えてくださった女性が私の杖を洗い、案内した客室の隅にそっと置かれました。このところほとんど体験しなくなった遍路宿の基本的な「おもてなし」が、ここには残っています。
宿の主は、広島での被爆体験を持つ元国鉄マンで86歳。迎えてくださったのはご子息の妻さんでした。夕食時には、宿主から明日の道案内。手作りの地図と、要所要所の写真を示しての楽しい話を聞きました。ご主人の話は遍路をめぐるエピソードにも及び、今年4月10日の朝日新聞が報じた外国人排除の張り紙は「悲しいこいとだ」と嘆息。「こんなことでは遍路道の世界遺産も無理だ」と話されました。
なお、この宿にも菅直人さんの写真があり、その日30数キロを歩いて来た菅さんを「歩きすぎ」と戒めたそうです。また、食事で同席の青年はオーストラリア人のアンジェロさん。23歳の学生で、日本語を学び、ホテルでアルバイトをしているとのこと。全7室ほどの小さい宿では、みんな家族のようです。【歩行距離=18.8q】

月10日(土)第6日=伊予三島駅近くの宿〜65番三角寺〜旧池田町の民宿岡田

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伊予路最後の札所・三角寺への道は、予期したよりもきつい登りでした。遍路道から山門に至る石段を息を切らして上がりきると、車遍路のご夫婦が待ち受けておられ、ねぎらいのお接待。用意されていた小さな紙袋に、心のこもったお菓子が入っていました。お参りを済ませて、今日の宿・民宿岡田に向かいます。

四国遍路・区切り打ち日記(第5回)