古い手帳の記録によると、野口さんと初めて会ったのは1993年5月19日。その夜開かれた、旧丹原町での政治腐敗に取り組む住民の皆さんの会合に招かれた折です。以来21年、私的な旅でお訪ねするたびにお世話になって来ました。今日も、歩き終える予定の伊予桜井駅で出迎えの上、例大祭で賑わう綱敷天満宮などを案内。近くの浜辺では、阿部悦子さん(前回遍路で出会った愛媛県議)が取り組んでいた織田が浜埋め立て反対運動のことなどを話してくださいました。
93年当時教職にあった野口さんは、県立今治特別支援学校を退職後、障がい者の支援活動に取り組んでおられます。現在は「就労支援事業所・あけぼの」の施設長で、その施設も見学。その後、ご用意いただいた本谷温泉(伊予三名湯の一つとのこと)で夕食を共にし、宿のお接待に甘えました。
【本日の歩行距離=16.6q】
5月5日(月)第1日=55番南光坊〜56番〜57番〜58番〜59番〜伊予桜井駅前
雨の中、第5回目の区切り遍路に旅立ちました。前回区切った55番札所南光坊(愛媛県今治市)から始め、88番札所大窪寺(香川県さぬき市)までを13日間歩き通して結願を目指します。
今、この地域では祭りの季節らしく、あちこちでその光景を見ました。また、お寺の境内や公園では、フジの花が満開です。
初日は足慣らしのつもりで今治市内の4か寺を打ち、JR伊予桜井駅から今治駅に戻って駅前のホテルに泊まるつもりでした。ところが、明日通過する西条市丹原町にお住まいの知人(野口征次郎さん)に電話すると、「宿は自分が手配する」とのこと。56番泰山寺、57番栄福寺にお参りしたところで雨は降り止み、58番仙遊寺に至る山道は雨具を脱いで登りました。59番国分寺を出て、間もなく桜井駅という辺りで、車の窓から野口さんの声が…。
四国遍路・区切り打ち日記(第5回)