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《2025.6.8
6月8日(日)朝夕に雨。もしかしたら梅雨が近づいているのでしょうか。20.0℃~26.5℃。

▼大綱=リヒテルズ直子さんの言葉②
簡潔に言えば、オランダでもいじめはあり、特に10~14歳ぐらいの年齢で多くみられます。また、さまざまないじめ対策があるにもかかわらず、現在、ソーシャルメディアの普及により、教員たちの目に見えない水面下でいじめが起きる傾向があり、学校にとっても困難だと感じられているようです。
それだけに、普段から、子どもたちの人間関係のあるべき姿、いじめる子、いじめられる子だけではなく、周囲で傍観している子たちの集団への責任といったことをオープンに話す機会を多く設けていくことが肝要となります。オランダで認められているいじめ対策ではいずれも、こうした点が重要視されています。

イエナプランに関しては、私自身は、究極的には「市民性教育」そのものを目指しているものだと考えており、対話や催しを通して、子どもたちがお互いの心やお互いの状況を把握し合い、また、催しを頻繁に行うことで、喜びや悲しみを共有する機会を多く設けることで、子どもたちの間に共感を育てています。
これらは、改めていじめ対策というふうに、点的にそこだけに焦点を当てるのではなく、市民として、自分とは異なる他者に対してインクルーシブな態度で関わるという態度を育てるもので、いじめ防止に役立っていると思いますし、実際、仮にいじめが起きたときには、そういう市民のあり方に立ち戻ることができるものであると思っています。
私自身は、オランダのいじめ対策に焦点を当てた著書はありませんが、かなり前に、「オランダの共生教育」という本を平凡社から出しており、ここに、市民性教育の考え方について記述しています。(本来は、この本の中で紹介していたピースフルスクールプログラムを日本で広げることを意図していました)。ただ、このピースフルスクールプログラムにも若干の問題があるように感じており、私は、やはり、個別のプログラムを作ることよりも、学校教育の根本課題として、近代の学校に課されている「市民性」の形成というところに立ち戻ることで、いじめ問題も根本的に議論できるものだと考えています。
いずれにいたしましても、また、オランダの現状なども調べた上で、もう少しじっくりとお返事を差し上げますので、少々お待ちいただけますか。ちょうど、祝日などが重なる時期でもあり、私もオランダへ行き来するなどバタバタしていますが、来月半ばごろまでには、もう一度お返事を差し上げます。
(写真=昨年のご帰国時、神戸市内のレストランで懇談=2024.10..27)

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