「議員活動報告」№94を校了しました。印刷物は来週に納品され、30日から駅前報告を始める予定です。
ところで、昨日の本会議での討論でハンス・ケルゼンの言葉を使って論陣を張ったのは、2つの議題です。
●維新の会提案の「議員定数削減」に絶対反対する!
1つは、大阪維新の会から提出された議員定数を7人減らす条例改正案。維新の会は、その提案理由を「①本市の財政状態、②身を切る改革をせよという市民の声、③議会費削減」だと説明しました。
しかし、議会構成の根幹となる定数を議論するのに堺市議会の憲法ともいえる「議会基本条例」をまったく顧みていません。同条例の前文は、地方自治体が二元代表制によって立つことを示した上、「市議会と市長とは、互いに健全な緊張関係を保ちながらも、独立対等な立場で、多くの市民の多様な意見を市政に反映し、これを運営する責務を負っている」とうたっています。議員の数を減らすことは、選挙によって少数意見の代弁者を切り捨てるもので「多数の意見の反映」と相反します。

《2022.3.25
(2614)

※3月24日以前の日記は、前ページに掲載

3月25日(金)今日も好天気で、いっそう春らしい気温になりました。7.5℃~18.5℃。

●民主主義の基本は、多数が選んだ権力をチェックする仕組み
実際、大阪府議会が定数を減らした結果、「定数1」の選挙区が増えました。これらの選挙区では、最高得票者以外の候補者に投じられた有権者の意見が議会に反映されることが阻害されています。そのほうが、府政の実権を握る維新の会には都合がよいことも歴然としています。
しかし、民主主義の基本は多数決にあるのではありません。多数の判断が正しいという保証はどこにもないからです。従って民主主義は、多数が選んだ者に権力を与える一方、「多数は間違いを犯す可能性がある」との前提に立って、多数が選んだ権力をチェックする様々な仕組みが必要だと言われています。
選挙で選ばれて権力を得て、歴史的に過ちを指摘される最たる人物はアドルフ・ヒトラーです。また、今、国際世論に刃向かってウクライナへの軍事侵攻を行い、ウクライナの人々への冷酷かつ残虐な迫害を続けているプーチン氏もまた、選挙で選ばれたロシア大統領です。ロシアにおいて、プーチン氏を抑制する力が言論統制などで押さえ込まれていることが、今回の悲劇を終息への道から遠ざけていることも明らかでしょう。
以上のような論述に続けて、昨日紹介したハンス・ケルゼンの著書『デモクラシー論』の一節を読みました。そして、「議員定数を削減する議案第1号には、絶対に賛成できない。ぜひとも否決すべき議案だと申し添える。併せて、ケルゼンの言う『対立する集団の利害を調整して妥協させることができなければ、民主制は存立しえない』との言葉を、永藤市長もぜひ噛みしめていただきたいと付言する」と、私は主張しました。
なお、再度ケルゼンを引用することになったもう一つの議題は、永藤市長の再議請求に基づく予算案ですが、その他の討論内容と併せて明日の日記でご報告します。
さて、今日は午前中に議会力向上会議。5月議会での大綱質疑の方法などを協議しました。また、今日発表された大阪府の新型コロナ新規感染者は3783人、亡くなられた方は32人。堺市の新規感染者は280人(前週金曜の86%)、亡くなられた方は4人(70代~90代)でした。

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