●石綿検診=さらなる啓発・PRが必要
しかし、Nさんの発症は堺市が行う石綿検診(実施主体は環境省)で発見されたのではなく、古川さんらが奔走して受診した医療機関で分かりました。事態をどのように受け止めるかを健康福祉局長に質したところ、「今後も広報さかい、その他より効果的な手段により、(石綿検診の)周知に努める」との答弁がありました。
●患者と家族の会の要望書への回答遅れ
もう一つは、アスベスト疾患患者と家族の会が9月13日に提出した堺市への要望書のこと。提出時には「10月中に回答する」と言明していたのに、回答書が送付されたのは12月1日。遅れた原因は学校アスベスト事案の発生で、環境局長が「お詫び」の答弁をしました。
●アスベスト条例の制定要望への回答は従前と変わらず
また、患者と家族会の要望事項には「アスベスト条例の制定」があります。この間の記者会見でアスベストへの理解を深めている様子の永藤市長に、「堺市の先進的取り組みなどを基にして、シンボリックな条例を作らないか」と水を向けましたが、答弁は以前と変わらず消極的です。
さて、今日は午後から議会運営をめぐる会派協議が開かれ、出席しました。「緊急性」や「議員名を出しての発言」などに関する申し合わせを作ろうというのですが、結論は出ませんでした。
協議終了後、健康福祉委員会での議論に向けて関係課と協議。また、「日高少年自然の家」を廃止する議案に関して、所管する子ども育成課からヒアリングしました。
40分の持ち時間をフルに使って「アスベスト対応」を議論した、一昨日の大綱質疑。東雲公園予定地や学校での対応検証に続いて、アスベスト疾患患者と家族の会からの問題提起を取り上げました。
その一つは、中区のNさんの石綿健康被害が認定されたことです。「著しい呼吸困難を伴うびまん性胸膜肥厚」との認定結果に、申請を手伝った患者と家族の会の古川和子さんは「衝撃だった」そうです。職業被曝は考えられないNさんの発症原因は、麻袋加工現場で遊んだ子ども時代にあります。
大綱質疑が終わり、来週は常任委員会が開かれます。私が所属する健康福祉委員会の開会日は15日(水)。今議会には、和歌山県日高町にある市立日高少年自然の家を廃止する議案が上程されており、審議はこの委員会に付託されています。
廃止は「財政危機脱却プラン」に基づくもので、大阪維新の会の議員から「その是非について討論する」と、委員間討議の申し出がありました。この施設は1975年に開設され、堺では海水浴ができない市内の学校が臨海学校などに利用してきました。開設時期は、私自身が1978年の創設に関わった「新金岡親子剣道クラブ」の創生期と重なり、当時180人ほどいた会員の子どもたちと共に、1983年と84年の夏季合宿で宿泊して経験もあります。