予算委員会分科会の2日目は、文教委員会が所管する「教育費」を巡っての質疑です。
●日本語教育の改革に参考とすべき豊明市方式
まず、市教委が来年度に予定する日本語教育の改革について議論。従来は指導が必要な児童生徒が在籍する学校で行ってきたものを、通級型センター校に集めて行ったり、通級困難な児童生徒の在籍校を巡回して行うという体制変更を考えています。日本語が全くわからない児童生徒に対して初期の段階で適切な指導をすることが目的とのこと。本会議で紹介したプラス・エデュケートの指導法が参考になることを確認しました。
●日本語教育指導員への謝礼の実質減額は妥当か?
ところで、今年度の日本語教育指導員を委嘱している方々への謝礼金は、2単位時間で5500円です。来年度の改革では指導時間が3単位時間となるのに、謝礼額は据え置くとのこと。限られた予算内での改革のしわ寄せを受ける指導員の中には、他自治体に移ることを考えている人もあるそうです。仕事時間が1.5倍になるのに報酬が増えないなら、誰しもモチベーションが低下するのではないでしょうか。早期に改善検討することを求めました。
●文科省の「通知」とはほど遠い学校図書館司書の配置
次に取り上げたのは、学校図書館への司書配置。これまで中学校図書館にしか配置されていなかった司書が、来年度は小学校にも配置されることになりました。昨年の決算委員会での議論を踏まえて、やっと実現したことは一歩前進です。しかし、中学校の司書は2校を担当し、小学校は4校を担当するとのこと。文科省は「週30時間勤務の学校司書を1.5校に1人配置する」との基準を示しています。堺市の学校での勤務時間は、中学校で週9時間、小学校では週4.5時間にしか過ぎません。まだまだ極めて不十分な状況であることの自覚を求めました。
議論の最後に教育長の見解を問うたところ、「子どもたちの読書、智の拠点といえる学校図書館を有効に活用するため、学校司書の配置は非常に重要だと認識している。小学校への週1回配置が実現したが、さらに人材を確保して学校図書館の活性化に取り組み、児童生徒の学力や人間力アップをめざしたい」との答弁がありました。