市役所は今日が仕事納め。明日から3日まで閉庁となるので、午前中に登庁して情報収集に努めました。今年は、小林・黒瀬両議員による政務活動費疑惑に加え、全有権者68万人の個人情報流出事件が起こるなど、市議会だけでなく堺市政全般が市民の皆さんの信頼を失いました。構成員の一人して、深刻な思いを抱いています。
■旧美原町住民が追及した職員の不法行為に最高裁が決定
さて、堺市と合併する前に美原町で起こった担当職員や幹部の不法行為について、市民団体「ネットワーク・みはら」のメンバーが提起した住民訴訟が、12月22日、最高裁第三小法廷の決定によって確定しました。
旧美原町では、町税や国保料の時効管理の扱いがずさんでした。その結果、2億円余りの不納欠損を計上したり、時効後に徴収した1575万円を還付するなど、信じられないようなミスが続いていました。合併後、このことに気づいた住民52人が、前町長らに損害賠償請求をすることを堺市長に求める住民監査請求を提出。しかし、堺市監査委員は2005年7月12日、住民の指摘を認めないとの監査結果を出しました。当時の監査委員は、行政のミスをきちんと点検したり、厳しく追及するという姿勢や自覚を持っていなかったのです。
●大阪高裁が職員の不法行為を認定
そこで、住民らは住民訴訟を提起。9年後の昨年3月、大阪高裁が「元保険福祉部長らほか3人に対して、総額372万円余りの返還を請求せよ」との判決を下しました。しかし、元町長らの責任が免れたたため、原告が上告を申し立てていたことに対して、最高裁は不受理を決定。その理由は、どうやら「最高裁において判断すべきことではない」ということのようです。
ともあれ、この決定によって大阪高裁判決が確定し、堺市長は旧美原町職員4人(3人はすでに退職)に対して372万円余の返還請求をしなければいけなくなりました。返還期限は判決確定日から60日の2月19日。返還請求額は、2005年以来の遅延損害金を加算して、500万円を超えることになるでしょう。
●当時の監査委員の責任も重大
もし、監査委員が裁判所と同じ判断をしていたら、その時点で是正され、遅延損害金の額も相当に少なかったはずです。住民の皆さんの強い粘りと、手弁当で助力した弁護団の力によって堺市の損害が償われることになりました。なお、堺市に代わって返還を実現した弁護団は、堺市に対して弁護費用を請求できることになります。
昨日、事務所前のフウセンカズラを片付けました。ツバキ、ナンテン、マンリョウなどを飾ってみると、何となくお正月を迎える装いです。年末のご挨拶を兼ねて、年明けに配っていだく「議員活動報告」(新春号)を配布協力者にお届けし始めました。