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●議会改革の理想論に頼った「失敗」
来る10月14日に「議会報告会」を実施するなど、堺市議会の改革が進んでいます。委員会についても、「自主的かつ自立的」に議案審査に当たることや「常任委員会の専門性」などについて、議会基本条例に規定することが合意に達しています。
そこで、「がん対策推進条例」の審査を付託された健康福祉委員会で、委員同士のフリーな議論を通して誤りを正そう…と、私は試みました。しかし、各党の委員にはそんな自覚はなく、「提案内容は一言たりとも変えない」ことが自分たちの任務だと思っていたようです。理想論を先行させた私の試みは、失敗でした。
A
つまり、「受動喫煙」の場所を「室内又は準ずる環境」に限定すると、すでに実施している施策よりも後退した規定になってしまうのです。せっかくの「がん対策」を「推進」する条例なのに、この一点だけはとても陳腐な条例文です。提案者は、「厚労省局長通知は知らなかった」とも答弁していますから、気づいた時点で内容を再検討すべき立場にありました。なお、条例の提案会派にならなかった共産党も「賛成」しましたが、同党議員からは何の発言もありませんでした。
B
8月定例会の最終本会議が開かれました。市長から提案された議案は、すべて簡易採決(全議員賛成)で可決。公明、維新、ソレイユ、自民の4会派が提案した「がん対策推進条例」は起立採決となり、私と田中丈悦議員が不起立でした。賛成しなかった理由は、この条例中、「受動喫煙」を「室内又はこれに準じた環境において、他人のたばこを吸わされること」と定義する規定が明らかに間違っているからです。採決に先立った討論(意見表明)で、私は、健康福祉委員会での議論の様子をスライドにして示しました。
●厚生労働省が示す「受動喫煙」の意味(スライド@)
上記定義は、健康増進法第25条(多くの人が利用する施設の管理者に対して受動喫煙防止の措置を講じる義務を課す規定)の引き写しです。厚労省は健康局長通知で、これは「本条(25条)において」の限定的定義であると明示しています。さらにその局長通知で、「屋外でも受動喫煙防止の配慮が必要」とはっきり言っているのです。
●提案の中心となった公明党議員の珍答弁(スライドA)
議案提案者に質すと、「子どもへの配慮は必要」→「ただ、私どもは室内で提案している」→「長谷川の言うことはもっともだ」→「(審査中条例の)14条に規定する『がん対策推進委員会』の意見を聞いて協議したい」と答えました。つまり、私の指摘を「もっとも」と認めながら、自分たちが条例内容を検討するという職責を放棄してしまったのです。
●堺市、すでに「屋外」での受動喫煙防止を実施(スライドB)
堺市ではすでに、市立学校園や市立堺病院の「敷地内禁煙」を実施。一定地域では路上喫煙も禁止しています。また、市内の府営公園がすでに禁煙エリアを設け、堺市の公園でも受動喫煙防止への取り組みを始めました。
9月27日(木)朝、戸外の車の屋根や前窓が濡れています。それでも、午後は30℃。